会長挨拶

 このたび、第52回日本リウマチの外科学会を2023年9月1日(金)から2日(土)の2日間 新潟市の “朱鷺メッセ” 新潟コンベンションセンターで開催させていただきます。50余年にわたる長い歴史をもつ伝統ある本学会を担当させて頂くことになり、大変光栄に存じております。先行きが見えないコロナパンデミックやロシアのウクライナへの軍事侵攻など、世界情勢は不安定な状況下にありますが(2022年8月現在)、本会は、十分に感染対策を施したうえで、現地において対面式で開催したいと考えております。
 この四半世紀にわたる関節リウマチ(RA)の薬物治療の劇的進歩により、RAの重症化は極めて少なくなっています。しかし、一方では感染症をはじめとする様々な併存疾患,経済的負担、高齢(ロコモ、フレイル)などのために、十分な薬物治療が施されず、いまだに真の寛解に至らず身体機能障害に苦しむ患者さんがみられています。また、薬物治療で臨床的寛解に達していても、心の寛解にまで至っていないことがあります。近年、生物学的製剤、JAK阻害薬などを使用しても治療に難渋するD2T(Difficult to treat)RAが、全体の3〜10%にみられており、その対応策も論じられているところです。このような状況下において、日本では、欧米と異なり、患者さんのアンメットニーズに応えるために、薬物療法のみに偏らない非薬物療法を含めたRAのトータルマネジメントをさらに推進していくことが大切と考えます。整形外科と内科のリウマチ医のタッグ体制、多職種連携によるチーム医療、患者さんとの共同意思決定、医療機関の相互連携など、患者さんにとって最善の医療提供ができる体制づくりが必要です。
 さて、今回の学会のテーマを “The Essence of Rheumasurgery(リウマチ外科の神髄)” としました。RAのターゲットとなる“骨・関節” を診るスペシャリストは、整形外科医であり、患者さんのADLとQOLの改善に積極的に関わっていく必要があります。過去のRA治療のトレンドに拘らず、最新トレンドのなかで日本のリウマチ外科医の立ち位置と役割を明らかにしていきたいと思います。元気を取り戻し、会員同士が本音を語って討論ができる楽しく賑やかな学会が復活できることを願っております。
 参加される方々に満足いただける学会にするため、全力で努めていく所存ですので、皆様方のご理解とご支援を賜わりますよう何卒よろしくお願い申し上げます。
 9月の新潟は、穏やかな天候に恵まれ、お米、日本酒、海の幸が大変美味しい季節です。コロナに勝った暁には、学会参加の合間には新潟の食文化を是非ともお楽しみください。多くの皆さまの新潟へのお越しを心からお待ち申し上げます。

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