大会長挨拶

 この度、令和7年(2025年)11月8日(土)〜 9日(日)に、新潟市の朱鷺メッセ 新潟コンベンションセンターにおきまして、第41回日本義肢装具学会学術大会を開催する運びとなり鋭意準備を進めております。
 新潟での開催は令和4年(2022年)10月の第38回(大会長:坂井一浩 人間総合科学大学)に続き3年ぶりとなります。
 第41回のテーマは、国際機能分類(ICF)の環境因子の考えから、義肢装具にとどまらず福祉住環境を含めた福祉用具(以下、福祉用具)にも領域を広げ、治療・リハビリテーション・福祉用具の観点からの「多職種連携による疾患・障害・高齢者へのアプローチ」としました。義肢装具は患者の治療ならびに障害者(児)の失われた機能を補いますが、これだけでは日常生活(就労・就学を含む)を支えることは不十分です。平成12年(2000年)に施行された介護保険制度は高齢者の自立を促すために日常生活における福祉用具等の充実化を図り、患者や障害者(児)を取り巻く環境を改善させることが、対象者の支援につながることを強く示しました。そうしたことから、今回の学術大会では対象者を取り巻く福祉用具にもフォーカスを当て、さらに学術領域を広げることにしました。
 当学会は義肢装具に関わる医師、義肢装具士、理学療法士、作業療法士、エンジニアで構成されています。我々は今学術大会を機に、福祉用具に関わるケアマネージャー、福祉用具専門相談員、福祉用具プランナー、福祉住環境コーディネーター、認定補聴器技能者等の職種や、福祉用具貸与、車椅子・シーティング、補聴器販売、コミュニケーション支援機器等の企業にも、当学会へ参画ができるよう拡大を図りたいと思っています。
 大会プログラムは、疾患の治療、障害のリハビリテーション、高齢者の福祉用具の3つの分野で構成され、これらを同時並行で進めることを予定しております。この3分野が横の繋がりを図ることで、さらに広がりを持った多職種連携を充実させ、対象者の社会参加を促す環境整備の実現がなされるものと確信しております。
 加えてここ数年、企業の皆様の研究開発によって新しい義肢装具材料、高機能パーツ、福祉用具等の新製品が生まれ、これまでになく患者の治療や障害者(児)のリハビリテーション、高齢者のADLを自立させることにより、国民に利益をもたらし、保健・医療・福祉を推進しています。特に義肢装具の製作適合では最先端モノづくりの3D技術である3Dスキャナ、3DCAD、3DCAM、そして3DPrinterが導入され、デジタルトランスフォーメーション(DX)が展開されつつあります。本学術大会ではこうしたDXについても積極的に取り上げ、情報共有の場にしたいと思います。
 皆様のご参加を運営事務局一同、心よりお待ち申し上げております。
令和6年(2024年)12月吉日

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