会長挨拶

 日本病院薬剤師会関東ブロック第53回学術大会は、一般社団法人新潟県病院薬剤師会が担当させて頂くこととなりました。2023年(令和5年)8月26日(土)、27日(日)の2日間、朱鷺メッセ 新潟コンベンションセンターに於いて、感染症対策を万全に行い現地開催とするよう、鋭意準備を進めております。
 第53回学術大会のテーマは『変革×継承 〜変えるべきこと、守るべきこと〜』といたしました(「変革×継承」の読みは「変革と継承」です)。2023年は、2024年の医師の働き方改革の開始、2025年問題と呼ばれる超高齢社会への対応としての地域包括ケアシステムの構築を目前とした年です。どちらも非常に大きなハードルであり、これらに対応するため、タスク・シフティングやタスク・シェアリングの推進と病院薬剤師の余力確保のための機械化、ICTの活用、デジタル・トランスフォーメーションへの対応、薬剤師以外の者への業務移管や、病院の統廃合や病床数の削減、病床機能分化に伴う薬剤部門の組織・業務の見直し等を進めておられることでしょう。これらに加え、ワクチン・治療薬の供給を含むCOVID-19への対応や高額薬の登場と医薬品費の適正化の圧力等、病院薬剤師は様々な変革の波にさらされております。
 しかし冷静に日々の働きを思い起こすと、5年前、10年前と変わっていない業務も多いと思われないでしょうか。薬剤師の本質は、患者さんに個別最適化した薬物療法を安全・安心に提供することであり、変革の流れの中でも継承すべき業務が存在するはずです。ただ、変わっていない業務にも、従前通り漠然と続けていただけの変えるべき業務と、淘汰されず不可欠な守るべき業務があり、その見極めが重要で、変えるべきことを変えることで、変革への対応が進められると考えます。また、薬剤師の業務だけでなくマインドにも、変えるべきこと、守るべきことがあると思っております。
 第53回学術大会では、これらを踏まえつつ、病院薬剤師を取り巻く諸課題について幅広く議論する機会を提供いたす所存です。多くの皆さまの参加を心からお待ち申し上げます。

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