教員研修会は “養成校における教育レベルの向上と教育指導法の共有化、専任教員個々の指導スキルの向上” を目的に、教育現場が抱えるさまざまな問題点や新たな教育手法などを題材に取り組んできましたが、今回で15回目を迎えることになりました。最近の眼科医療では、Quality of Vision: QOVの概念が定着するとともにOCTに代表される診断機器や屈折矯正分野の進歩は目覚ましく、これに伴って視能訓練士の卒前教育においても習得すべき知識とスキルは飛躍的に増大し、その内容も刻々と変化しています。さらに、AIは益々進化を遂げ、眼科領域でも画像検査系の自動化は今後急速に進展していくことが予想され、令和3年度に国家資格となった眼鏡作成技能士に関しても将来どのような影響が出てくるのかは不透明です。折しも医師のタスクシフト/シェアに伴う業務移管が注目され、他の医療職種でも指定規則の改定が進んでおり、このたび視能訓練士も18年ぶりに指定規則が改定されることになりました。視能訓練士の未来展望を確固たるものにしていくためには、専門性を深め、業務拡大によって職種の魅力を高める努力とともに、眼科に特化した専門職から一歩外に踏み出す姿勢が求められています。特に、他の医療職との連携協働(Inter-professional working: IPW)はチーム医療・チームケアを推進する上で必要不可欠であり、21世紀の保健・医療・福祉分野のキーワードと言われています。病院や診療所という限られた枠組みの中で考えていても他職種の考え方や動向にはなかなか気づきません。発達障害を含む特別支援学校等での教育現場との連携や、他職種と同様に在宅・訪問医療に参入して、病院や診療所以外での活動領域の拡充を図り、連携を通じて医療職としての視能訓練士の役割や意義を他職種にアピールすることで、その認知度を高めていくことが肝要ではないかと考えています。 今回の研修会のテーマは、「近未来の視能訓練士Part Ⅲ―視能訓練士の発展に関して―」ですが、指定規則改定の骨子の一つである“他職種との連携協働”という視点から、「これからの看護師・理学療法士・診療放射線技師(教育と職能について)」と題してシンポジウムを企画しております。他職種の養成教育の現状と動向を知ることは、自職種の在り方を論じるうえでとても重要ですので、公益社団法人愛知県看護協会常務理事で認定看護管理者の森田 恵美子先生、愛知淑徳大学教授で理学療法士の林 久恵先生、神戸常盤大学教授で診療放射線技師の今井 方丈先生の3名にご講演と討論をお願いいたしました。さらに特別講演では、視能訓練士に期待するロービジョンケアを旭川医科大学医工連携総研講座教授で日本ロービジョン学会理事長の石子智士先生にご講演していただけることになりました。実践的なロービジョンケアは近未来の視能訓練士にとって必要不可欠な業務であり、他職種との連携においても極めて重要となります。本研修会が、ご参加いただく皆様にとって実りの多い、有意義なものになることを心より期待しています。 |
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〜 近未来の視能訓練士シリーズ 3年目 〜 第15回教員研修会は、昨年度の第14回教員研修会でいただいたご意見や感想から、テーマを 「近未来の視能訓練士 ― 視能訓練士の発展に関して ―」として開催いたします。 これからの視能訓練士が輝いて活躍できることを願いまして、養成校の教育に還元できる内容で準備を進めております。 対面での開催は叶いませんでしたが、Web開催には大きな利便性があります。 皆様にとって有意義で充実した研修会となりますよう、ワーキンググループが一丸となって鋭意努力いたします。 多くの皆様のご参加を心よりお待ち申し上げております。 |
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