新潟口腔ケア研究会

新潟口腔ケア研究会
第11回 新潟口腔ケア研究会
 今年は第11回日本口腔ケア協会学術大会と併催し、8月20・21日に2日間かけて開催となりました。2日間で全国から500人を超す参加者が集まり、大変な盛り上がりを見せました。
 1日目の午前中はハンズオン口腔ケアセミナーを開催しました。募集を開始して早々に定員の20名を超える申し込みがあり、口腔ケアの関心の高さを実感しました。セミナーは日本歯科大学新潟病院訪問歯科口腔ケア科の歯科医師や歯科衛生士が講師となり、具体的な症例を提示しながら参加者の皆様は指導を受けておりました。日常業務の中で口腔ケアに取り組み、苦労されている方がたくさんおられることに気づかされました。
ハンズオン口腔ケアセミナーの様子    
午後より第11回新潟口腔ケア研究会が開催されました。一般口演は9演題集まり、今年は病院での口腔ケアの取り組みや口腔ケアの難症例の報告などが目立ちました。
今年のテーマは「認知症」として歯科の立場から認知症への取り組みをされている東京都健康長寿医療センター歯科口腔外科の平野浩彦先生より特別講演として「認知症の口を支える基礎知識」をご講演を頂きました。

抄 録
 世界保健機関(WHO)の報告(2012年)では、世界の認知症有病数は,約3,560万人と推定され,2030年までに2倍の6,570万人,2050年までに3倍の1億1,540万に増えると予測されている.我が国においても2013年に厚生労働省の研究班から,462万人の認知症患者が存在するとの報告がなされており、認知症は特別の疾患ではなく,“身近な病気(common disease)”になっている.厚生労働省は2011年に「認知症になっても住み慣れた地域で安心して生活を継続する」ことを目的として,認知症施策検討プロジェクトチームを立ち上げ,2012年6月の報告書「今後の認知症施策の方向性について」の中で,認知症施策の具体的な方針を打ち出した.また同年厚生労働省は,認知症施策の方向性として2013年度(平成25年度)から2017年度(29年度)までの取り組みを示した「認知症施策推進5か年計画(オレンジプラン)」を提示した.さらに,2015年1月には新オレンジプラン(認知症施策推進総合戦略)が発表された.これはオレンジプランをほぼ踏襲した内容だが, (1)認知症への理解を深めるための普及・啓発の推進,(2)認知症の容態に応じた適時・適切な医療・介護等の提供,(3)若年性認知症施策の強化,(4)認知症の人の介護者への支援,(5)認知症の人を含む高齢者にやさしい地域作りの推進,(6)認知症の予防法,診断法,治療法,リハビリテーションモデル,介護モデル等の研究開発の推進,(7)認知症の人やその家族の視点の重視の7本の柱に改められている.以前より認知症初期集中支援チームとかかりつけ歯科医は連携を取ることを求められていたが5),さらに早期診断・早期対応のための体制整備を目的に歯科医師の認知症対応力向上研修(仮称)実施が明文化され、現在そのカリキュラム作成がなされている.
特別講演 平野浩彦先生    
2日目には第11回日本口腔ケア協会学術大会を1日かけて開催しました。『包括的口腔ケアからオーラルフレイルに挑む』を大会のテーマとして、「フレイル」「オーラルフレイル」の概念を提唱する東京大学高齢社会総合研究機構 飯島勝矢先生と、歯科的な立場からフレイルに挑む日本歯科大学口腔リハビリテーション多摩クリニック 菊谷武 先生、東京都健康長寿医療センター歯科口腔外科 平野浩彦先生の3名の先生方より講演をいただき、最後には3名の先生方と大会長でパネルディスカッションを行いました。フレイルという新しい概念を用いて、介護予防を国民運動としての取り組みに、歯科の大きな役割が明確に示されました。
会場の様子    
企業展示の様子    
口腔ケアに関連する12社を集め大変な盛況を見せておりました。



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