新潟口腔ケア研究会

新潟口腔ケア研究会
第15回 新潟口腔ケア研究会 報告
 令和2年度の第15回新潟口腔ケア研究会は、新型コロナウイルス(COVID-19)の感染リスクを考慮し、2020年10月11〜25日にWEB研修会としてオンデマンド配信での開催となりました。コロナ禍の収束が見えないなか、医療介護従事者が参加する本会の集合型研修会の実施は断念いたしましたが、約110名と多くの皆様にご視聴いただき、新潟口腔ケア研究会を継続することができました。感謝申し上げます。
 現在、感染リスクを考慮して口腔ケアを休止、簡略化せざるを得ない状況にある施設が多くあります。適切な口腔ケアは、COVID-19の感染抑制に繋がることを示唆する可能性が注目されていますが、十分な感染防護対策を実施しない口腔ケアは、感染リスクを増大させます。そこで今年は、「ウィズコロナでも口腔を支える」をテーマに、日本歯科大学訪問歯科口腔ケア科の白野美和先生より特別講演として、「コロナ禍の口腔ケアを考える」をご講演いただきました。また、日本歯科大学新潟病院口腔ケア機能管理センター長の吉岡裕雄先生より教育講演として、「明日から始める口腔機能向上のための口腔ケア」と題し、具体的な感染リスクに配慮したケア方法や対応を含めて、ウィズコロナにおける口腔ケア、口腔機能向上訓練についてご講演頂きました。
抄録(吉岡裕雄)
「口腔ケアが新型コロナウィルスの感染を予防する」の様な記事が世間で出回り、あたかも「歯磨きがコロナに効く」かのような短絡的な解釈を目にすることがあります。口腔の管理が悪くなれば、口腔内の細菌の数が増え口腔のトラブルや誤嚥性肺炎のリスクが上がります。口腔機能が低下すれば口腔や咽頭の自浄作用も低下します。口腔のトラブルにより食事量が減れば体力(免疫力)が低下し、結果肺炎も重症化するでしょう。特に高齢者や、基礎疾患を有している方は口腔の健康管理に細心の注意が必要です。それは新型コロナウィルス感染拡大前から我々歯科が訴えてきたことでした。一方で感染拡大防止の観点から、介護・看護の現場では飛沫を伴う口腔ケアは再び遠ざけられてしまいました。もう一度、本来の目的と考え方を確認し、「口腔ケア」について考えたいと思います。

抄録(白野美和)
COVID-19の感染拡大は我々の活動する訪問口腔ケアの現場にも大きな混乱をもたらしました。口腔衛生管理の重要性が示される一方、介入することによる感染リスクの問題など、悩ましい現実の中で過ごされた方々も多くいらっしゃると思います。これまでの世の中の動き、口腔ケアを取り巻く状況を振り返りながら、私たちが今できることを考えてみたいと思います。



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