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第7回 新潟口腔ケア研究会 |
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平成24年9月2日(日)に日本歯科大学新潟生命歯学部講堂にて第7回新潟口腔ケア研究会が開催された。当日は、医師、歯科医師、衛生士、看護師や介護福祉などを中心に約200名の参加者があった。一般演題8題、教育講演、特別講演が行われた。会場には口腔ケア関連の器材を取り扱う企業ブースが4社設置され、試供品の配布や、使用方法の説明、新商品の説明なども行われていた。
一般演題は8題あり、口腔ケアに対する意識、病室での口腔ケアの取り組み、口腔ケアが有効であった癌治療症例や透析患者への口腔ケア、死後処置時の衛生士の関わり、口腔ケアとしての食事指導、周術期口腔ケアの効果について発表、討議された。また総合病院や大学病院だけでなく、一般開業歯科医院からの発表もあり口腔ケアの重要性が広まっている事が感じられた。 |
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大盛況の展示協賛企業のブースの様子
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一般公演の様子
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活発な討議が行われた
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教育講演「がん患者をサポートする歯科支持療法・口腔ケア」
~がん患者を地域で支えるための日歯・国がん医科歯科連携~
国立がん研究センター中央病院 総合内科・歯科 上野尚雄先生 |
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教育講演は、国立がん研究センター中央病院 総合内科・歯科の上野尚雄先生が、「がん患者をサポートする歯科支持療法・口腔ケア ~ がん患者を地域で支えるための日歯・国がん医科歯科連携 ~ 」のテーマで講演された。
がん罹患率は上昇しているが、死亡率は減少していることから、近年では上手に治し、 |
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その人の生活を支援するといった考え方に変わりつつある。その中で歯科のあり方は、積極的に介入することで治療完遂率の向上に寄与できるという。特に手術後は呼吸機能が低下することから、術前からの口腔ケアが重要である。また放射線治療、化学療法で起こりうる粘膜炎、口内炎についての歯科的対処については①定期的な口腔内のアセスメントをとりグレードから対応を変えること②患者教育として粘膜炎の発症についてや対処法を示すこと③食事の工夫④グレードに応じた疼痛緩和を行うこと⑤感染制御につとめることを強調された。またセルフケアの指導や重要性についても述べられた。がん患者の歯科治療の原則としては、がん主治医との連携や共有(これから行われるがん治療の把握、歯科治療が行える期間など)が大切であり、なるべくがん治療前に歯科治療を終わらせることである。 |
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特別講演「呼吸器感染;医療・介護関連肺炎」
聖マリアンナ医科大学救急医学臨床教授、
東京ベイ・浦安市川医療センター センター長 藤谷茂樹先生 |
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特別講演は聖マリアンナ医科大学救急医学臨床教授、東京ベイ・浦安市川医療センター センター長の藤谷茂樹先生から「呼吸器感染;医療・介護関連肺炎」について講演された。VAP感染ゼロを目指すために重要な感染予防の原則としてはまず手洗い!とのことであった。その後は早期VAP、晩期VAPの違いなど基本的なところからVAP予防策やVAP |
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を引き起こす様々な因子に対する統計や論文での検討について述べられた。
頭部挙上や頸部の角度、クロルヘキシジンを用いた含嗽、銀コーティングされた気管挿管チューブ使用はVAPを予防策となる。またドルミカムやプロポフォールなどの鎮静薬を中断させ、鎮静状態からの早期離脱は抜管の可能性を判断する因子となり、結果としてICU在日数を減少させる。また術後24~48時間から栄養管理を始めることで腸粘膜の萎縮を避ける事ができると述べられ、日常の臨床に活かされる内容であった。 |
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