会長挨拶

 
第61回臨床ウイルス学会を2020年6月6日(土)と7日(日)の2日間、新潟市の朱鷺メッセにて開催させていただきます。 長い歴史のある本学会を、初めて新潟市で開催させて頂くことを大変光栄に存じます。

 本学会のテーマは、「未来の子どもと社会のためにーFor Children and Society in the Future」です。国内における小児医療の現場は、この数年、大きな変革の時を迎えています。少子高齢化に加え、特に感染症の領域では、有効なワクチン・抗微生物薬の開発と普及によって、感染症に罹患する子どもたちの数は減少しています。
 一方で、世界に目を向けると、幾つかの重要な新興・再興感染症、特にウイルスによる感染症が大きな問題となっています。トリインフルエンザウイルス、エボラウイルス、中東呼吸器症候群コロナウイルス、ジカウイルス、デングウイルスなど、この20年あまりで、これまでヒトが体験してこなかったウイルスのアウトブレークが世界各地で発生しています。その診断、治療、予防などの話題に事欠くことはありません。グローバル化の現在、これらの新興・再興ウイルス感染症は、いつ国内で患者が発生し、流行するか、予測がつかない状況が続いています。そして、社会に大きな影を落としかねません。したがって、これらの感染症対策は、急務の課題であり、また、国内だけでなく、流行地域などと密に連携して行う必要があります。

 これからの未来の社会を担うのは、子どもたちです。その子どもたちを守ることが未来の社会を守ることにつながります。子どもたちを、これらの新興・再興ウイルス感染症を含めた多くのウイルス感染症から守り、そして、未来の社会を守るためには、我々大人は、今、何をするべきなのでしょうか?その難しい問いに答えることを本学会のテーマとし、国内外からのゲストの講演、シンポジウムなどを通じ、皆様と議論を深め、その道筋を作れたらと考えております。

 今回の学会のポスターは、新潟の初夏の青空を描いています。6月初旬の新潟は1年の中でも、一番過ごしやすく、かつ、美しい時期です。是非、多くの方に学会に参加していただき、新潟の地で、未来の子どもたちのために活発な議論ができたらと考えております。皆様のご参加を心よりお待ちしております。

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