会長挨拶

 
 第30回日本聴神経腫瘍研究会を新潟大学脳神経外科が担当させて頂くことになり、教室員一同大変光栄に存じます。新型コロナウィルス感染症(COVID-19)流行のため、今回の研究会開催について、通常の開催は困難であるとの判断により、協議の結果、Web開催と決定しました。ご参加頂く皆様にはご理解をお願い申し上げます。しかしながら、Web開催であっても可能な限り本研究会の特徴でもある“複数の関連診療科の医師が一堂に会して討論”して頂けるように工夫を凝らすことと致しました。オンデマンド配信の際に、その様子を配信できればと考えております。令和3年(2021年)6月12日(土)にWebで開催し、その後6月16日(水)〜 7月16日(金)までの期間、オンデマンドにて配信いたします。
 日本聴神経腫瘍研究会は、「聴神経腫瘍の診断と治療に関する諸問題を集学的に検討し、本腫瘍のより適切な治療法の達成に貢献すること」を目的として設立されました。聴神経腫瘍に関わる複数の関連診療科の医師が、年に一度聴神経腫瘍の診断や治療だけでなく、基礎研究など討論を行って参りました。1992年の第1回から数え、この度記念すべき第30回を迎えました。この30年間に聴神経腫瘍の診断・治療は大きな変貌を遂げ、成熟期を迎えたといっても過言ではありません。
 この研究会を通じて参加者の今後の聴神経腫瘍診療に役立てられ、問題点を議論し共有できるような会にしたいと考えました。主題を「高齢者(80歳以上)の治療」、「治療難渋例を中心とし症例報告」、「外科治療こだわりのTips and Tricks」および「放射線治療の増大傾向症例とそれ以外の放射線治療効果の相違」とさせて頂きました。演題募集の状況から結果として、2つのシンポジウムにはなってしまいましたが、このコロナ禍の中、23演題のご応募を頂きました。心より御礼申し上げます。
 教育講演(脳神経外科領域講習1単位、耳鼻科1単位)は、日本医科大学脳神経外科主任教授 森田明夫先生に「神経線維腫症2型症例における聴覚再建」、筑波大学 耳鼻咽喉科・頭頸部外科教授 田渕経司先生に「蝸牛の聴覚生理と聴神経腫瘍」をお願いしました。また、特別講演としまして新潟大学大学院医歯学総合研究科 耳鼻咽喉科・頭頸部外科学分野教授 堀井新先生に 「慢性めまいの鑑別診断:特にPPPDに関して」をお願いしております。COVID-19の収束状態が気になりますが、本研究会が実りある会となりますよう、皆様のご支援、ご協力をお願い致します。

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