ごあいさつ

 
 第74回NPO法人日本口腔科学会総会・学術集会を開催するにあたり、一言ご挨拶させていただきます。この度新型コロナウイルス(COVID-19)感染の拡大に伴い、急遽「抄録学会」に変更せざるを得ず、皆様には多大なるご迷惑をおかけしていることと存じます。抄録集作成の段階で変更せざるを得ませんでしたので、まずはお詫びと御礼を兼ねて大会HPおよび抄録集の大会長挨拶とさせていただきます。
 令和2年2月末、第74回NPO法人日本口腔科学会総会・学術集会まで残すところ2か月を切り、抄録集もほぼ完成し、座長の割り振り、巻頭言でのご挨拶を考えていました。同時に正月頃から問題になり始めたCOVID-19の拡大に、学会の開催をどのようにするべきか検討せざるを得ない状況になりました。3月11日予定の理事会も会議室での開催は中止となり、それを前に通常の学術大会を行うことを断念し、Web開催とすることを審議していただきました。3月初めには通常の開催断念の旨をHPで通知させていただき、ほぼ同時に流行国への渡航自粛、国内流行地域への出張自粛、学校の休校等が推奨され、以後軒並みに大きな会議、送別会等々は中止となりました。この巻頭言を書き直している現在(3月半ば)もWHOはパンデミック宣言をし、感染拡大の中心はヨーロッパとなり、アメリカ本土もかなりの移動制限を行うこととなりました。まさに世界的大流行の真っただ中になったと感じます。幸い日本はある程度の封じ込めが成功しており、急激な増加による医療機関の対応の遅れまでには達していません。早くワクチンや治療薬の使用が可能になり、ピークアウトすることを祈るしかありません。
 さて、第74回NPO法人日本口腔科学会総会・学術集会は、昨年5月に元号が平成から令和に移行し、令和最初の口腔科学会学術集会として、新潟市朱鷺メッセにおいて4月16日(木)、17日(金)の両日で開催することになっていました。東京オリンピックの開催の直前であり会場確保が難しくなることから、3年前に大会長を仰せつかり、教室員一同、科学会会員各位をはじめ歯科のみでなく医科の先生方も含めてご協力いただきながら、口腔科学全体を盛り上げるべく、「口腔科学を活かす」をスローガンにプログラムを考えてきました。特別講演、海外招聘講演、教育講演、プレコングレスセミナー、シンポジウム5題、ハンズオンセミナー2題、ランチョンセミナー3題ならびに学術集会への演題登録(口演発表157題、ポスター発表161題、計318題)をいただきました。その他、学会主導として教育研修会、宿題報告、指名報告2題、パネルシンポジウムの各企画をいただきました。「抄録学会」となった今、正式にご講演いただけず本当に残念ですが、関係各位には心より御礼申し上げます。ただし、折角の機会ですので一般演題を登録いただいた皆様の中で、希望者には抄録のみでなくポスター形式でのインターネット公開としてデータを出していただき、COVID-19肺炎の暗い流れを吹き飛ばし、元気を出していただくために “Web学会賞”を特設しております。会員各位におかれましては感染症拡大に伴い、各病院での対応にも大変な時期とは存じますが、おそらく二度とない(ように祈るばかりです)学会形式ですので、奮っての御参加をお待ちしております。
 最後になりますが、ご協力いただいております関係各位の益々のご健勝、ご活躍を祈念しております。(令和2年3月17日記)

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