ご挨拶

 
会長:榎本隆之
第29回日本婦人科がん検診学会 総会・学術講演会を、WEB配信を基本に2021年2月20日(土)、21日(日)の2日間、新潟市の新潟大学 駅南キャンパスときめいとで開催させて頂くことになり、大変光栄に存じます。今回の学術講演会のテーマは、「婦人科がん検診の近未来像」といたしました。

子宮頸がん検診は、昭和58年(1983年)の老人保健法施行以来、各自治体での対策型検診の1つとして行われていますが、ご存知の通りその受診率は低迷しております。さらにその手法として、従来の細胞診検診に加えHPV単独/併用検診等新たな選択肢が登場していますが、本邦におけるその取り扱いは未だコンセンサスが得られていない状況です。また、検診と両輪をなすはずのHPVワクチンについては、接種の積極的勧奨の差し控えからもうすぐ7年が経過する中、2019年11月に日本産科婦人科学会が積極的勧奨再開に関する要望書を内閣官房長官・厚生労働事務次官に提出したところで、今後の動きが注目されます。今後ダイナミックに変化していくであろうHPV検診・HPVワクチンについて議論する必要がある一方、従来からの細胞診の有用性は疑いようのないものであり、細胞診に関わる医師や検査士の教育・精度管理には継続して取り組む必要があります。2019年6月には、まさに本会が「子宮頸部細胞採取の手引き」を刊行したところです。今回の学術集会では、HPV検診/ワクチンについてだけでなく、この細胞採取の手引きに関する解説も含めた、包括的な子宮頸がん検診に対する議論をしたいと思います。

今回は残念ながら新潟に直接お越しいただき、会場での研鑽ならびに新潟産のお米、日本酒、海の幸・山の幸を堪能しつつ懇親会で情報交換することは叶いませんが、新しい開催様式で行われるこの学会を通じて、多くの情報提供と、今後の議論ができたらと考えております。

皆さまのご参加をお待ちしております。

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